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事例紹介

日立グループの非化石証書調達改革
Re:lvisの活用で業務標準化・脱属人化を実現し、業務工数を“約30分の1”に大幅削減

株式会社日立製作所 様

2026年04月10日

メール・Excel管理で煩雑だった調達業務 株式会社日立製作所様

INTERVIEW

株式会社日立製作所
バリュー・インテグレーション統括本部
部材調達本部
材料・エネルギー調達部
エネルギーグループ
部長代理

城山建一郎 氏

株式会社日立製作所
バリュー・インテグレーション統括本部
部材調達本部
材料・エネルギー調達部
エネルギーグループ
主任

藤井粛人 氏

株式会社日立製作所
バリュー・インテグレーション統括本部
部材調達本部
材料・エネルギー調達部
エネルギーグループ

前野修平 氏

株式会社日立製作所
バリュー・インテグレーション統括本部
部材調達本部
材料・エネルギー調達部
エネルギーグループ

矢出愛実 氏

※本事例に記載された情報は取材当時のものです。

SUMMARY

  • 日立グループの非化石証書調達改革にRe:lvis®を適用して効率化 

    メール・Excelベースだった非化石証書の調達業務に環境価値管理サービス「Re:lvis」を適用し、入札~約定~割当プロセスを一元管理化

  • 需要家ポータル機能を通して、スムーズな注文登録・受付を実施

  • 業務工数を約30分の1に削減、複数人体制での業務遂行も可能に

    劇的な工数削減を実現し、業務の属人化も解消

USER PROFILE

株式会社日立製作所
設立:1920年2月1日
所在地:東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
事業内容:デジタル、エナジー、モビリティ、インダストリー、計測・分析システム、生活・エコシステム、ビルシステム

1920年設立の日本を代表する総合電機メーカー。1910年の創業以来、「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」を企業理念に掲げ、社会イノベーション事業を推進している。また革新的な技術を持つ企業との協創を通じ、サステナブルな社会の実現に向けた技術開発や事業創出、グローバルでの成長を目指す。

導入ソリューション概要

環境価値管理サービス「Re:lvis(リルビス)」

現状Excelなどを使って手作業で行っている非化石証書の管理業務をデジタル化し、非化石証書の調達から入札、割当までの業務プロセス効率化を支援するSaaSサービス。主に日本卸電力取引所(以下、JEPX)の会員である需要家・証書仲介事業者・小売電気事業者の各業務に対応した機能を提供する。

プロジェクトの狙い

拠点増加に伴う業務の効率化と属人化の解消が急務に

日立グループでは、環境長期目標「日立環境イノベーション2050」を掲げ、2030年度までに自社事業所におけるカーボンニュートラルの実現に向けて取り組んでいる。
その具体的な方法として、省エネルギー対策や再生可能エネルギー設備の導入に加え非化石証書の活用やCO²フリー電力の調達を、重要な戦略として位置付けている。なかでも非化石証書の活用においては、自社で証書の属性(産地や発電形式など)を直接的に選定・調達している。

さらにPPA(Power Purchase Agreement:電力販売契約)も組み合わせることで、拠点の特性に応じた柔軟なカーボンニュートラルの実現を図っている。

こうした取り組みと自部門の役割について、城山建一郎氏は、次のように説明する。
「日立では2030年度までにグループ事業所におけるカーボンニュートラル達成(CN2030)を目指しており、全体の20%を省エネ・再エネ設備やPPAで賄い、63%を非化石証書やCO²フリー電力、17%をカーボンクレジットの調達によって達成する方針です。私たちは本社調達部門として、グループ全体のエネルギー調達とカーボンニュートラル推進を担い、各事業所の状況に応じた調達支援を行っており、“再エネポートフォリオ”という考え方の元、特定の手法に偏ることなく、複数の選択肢を組み合わせながら、バランスよくカーボンニュートラルを進めていっています。」

城山建一郎 氏

ただしCO²フリー電力は電力契約と紐付くため、個別に電力契約を結んでいないオフィスや小規模事業所では活用が出来ない。そうした拠点ではカーボンニュートラルを実現するための現実的なファーストステップとして、非化石証書が重要な役割を担っている。

非化石証書は、太陽光などの非化石電源によって発電された電気に付随する“非化石価値”を証書として具現化することで、取引・管理を可能にしたものだ。通常の電気を使用している場合も、非化石証書を調達することで、電力需要家は使用電力のCO²排出量を実質的にゼロだと主張することができ、カーボンニュートラルの達成を可能にする。

藤井粛人 氏

しかし一方で非化石証書の活用が広がるにつれて、調達や管理業務の負荷も増大していくことになる。特に2025年度以降、カーボンニュートラルの対象拠点が大規模工場だけでなく、中小規模の工場やオフィス、事業所へと拡大することが見込まれていた。
 
藤井粛人氏は「このまま従来のやり方を続けていくのは、現実的ではないと感じていました。業務の効率化と属人化を解消する抜本的な改革が、喫緊の大きな課題でした」と当時を振り返る。

日立グループの非化石証書調達業務の流れ

導入経緯

トライアル利用で需要家ポータル機能を含む4つの機能を評価して、正式導入を決定

非化石証書のオークションは、JEPXが年4回(8月/11月/2月/5月)実施しており、需要家はオークションで入札を行い、約定されることで非化石証書を調達することができる。

 日立では2022年度の第1回オークションから、非化石証書の自社調達を実施している。これまではグループ各社からバリュー・インテグレーション統括本部宛にExcelの非化石証書の購入申込書をメール添付で送ってもらい、藤井氏が手作業で集計した後、入札書類を作成していた。そして約定後には、各拠点に対して約定結果を割り当てるという流れだ。
この従来業務について藤井氏は「年度を重ねるごとに購入を希望する事業所が増えてきており、2025年度からは対象拠点数が3倍以上になる見込みでした。膨大な件数を捌く中で メールでの受付は見逃しのリスクがあり、Excelの集計作業には転記等で記入誤りの恐れがあります。そうしたミスは充分にチェックを行うことでこれまで一度も起きていませんでしたが、ヒューマンエラーの発生リスクは常に付きまとっている状態でした。加えて担当者である私以外での作業分担が難しく、業務の属人性も大きな問題でした」

こうした課題感の中で自社の営業部門から紹介を受けたのが、BIPROGYの提供するSaaS型の環境価値管理サービス「Re:lvis」だ。そこで同本部は実際の業務に適合するかどうかを慎重に見極めるため、2024年7月から、トライアル利用を実施した。
トライアル期間中は、実際のオークション業務を想定した検証を行い、従来の手作業での運用と比較しながら、どのプロセスで、どの程度の工数削減やリスク低減が見込めるのかを確認した。また拠点数が今後さらに増加した場合にも無理なく運用できるか、主担当者以外への業務分担や引き継ぎが現実的かどうか、といった点も検証した。藤井氏はトライアル利用で特に重視したポイントとして4つの機能を挙げる。

Re:lvis導入の決め手となった4つの機能

  1. 各拠点の購入希望を入札時に一括登録できる機能
    拠点ごとの情報を集約し、入札時にまとめて登録できる点は、業務効率化の観点で大きなメリットでした。
  2. 約定後、非化石証書を各拠点へ自動割当する機能
    手作業による振り分けを不要にし、運用負荷を大幅に軽減できる点を評価しました。
  3. JEPX連携前に「予約」状態で割当情報を保持できる機能
    非化石証書発行前に、発行内容の事前確認を行うことで、発行誤りを防止することができ、安心感を確保することができました。
  4. 各拠点と情報共有できる需要家ポータル機能
    正式契約後に利用可能な機能で、トライアルでは未使用でしたが、各拠点からの注文受付や割当結果の共有が可能となり、日立の運用において有効に活用できると感じました。

これらの機能を評価して日立は、2025年4月にRe:lvisの正式導入を決定した。

導入効果

業務工数を約30分の1に削減、業務分担が可能になり、属人化も解消

矢出愛実 氏

2025年の第1回オークション(8月)から、需要家ポータル機能を含むRe:lvisの利用開始した日立は、同年11月の第2回オークションで導入効果を実感した。 
この点について、第2回オークションから実務に加わった矢出愛実氏は、次のように説明する。

「私は2025年第1回入札時には、新入社員として配属直後だったこともあり、Re:lvis導入前の業務プロセスを把握する立場にありました。当時は、煩雑なメールのやり取りやExcelでの集計作業が常態化しており、業務の属人化と工数の多さが大きな課題でした。

第2回入札からは実務担当としてRe:lvisを活用していますが、各拠点からの注文登録から入札までを一元的に管理できるようになりました。注文登録から入札書類の作成、入札の実施、非化石証書の割当までの一連の業務がシームレスに完結し、全体の業務工数は約30分の1に削減されました。
業務の標準化が進み、属人化も解消されるなど、調達業務の在り方そのものが変わったと感じています。」

25年10月に異動して、同じく、第2回オークションから実務に加わった前野修平氏も、「第2回オークションから実務に加わり、各拠点の利用アカウントとなるメールアドレスを登録する作業などを担いました。これが私にとって初めてRe:lvisを利用する機会でしたが、ユーザーインタフェースは非常に直感的で分かりやすく、簡単に操作できたことが印象的です」とその使いやすさを強調する。  

前野修平 氏

また藤井氏は、トライアル利用の際に検証した入札時の一括登録機能、約定後の非化石証書の自動割当機能、証書発行の予約機能、需要家ポータル機能について、次のように言及する。
 
「例えばCSVによる入札情報の一括登録は、拠点数が増えれば増えるほど効果を実感することができます。自動割当機能も、これまで人手で1日近くかかっていた作業をわずか数秒へと短縮してくれました。 具体的には環境価値の400拠点分の情報を1件ずつ処理するためには、1件あたり30秒かかるとして合計200分以上の時間がかかりますが、それが数秒で完了するのは、業務プロセスを劇的に変えるものでした。これまでは膨大なデータの管理や割り当ての漏れといった不安が常にありましたが、システム化によってそうしたヒューマンエラーの懸念からも解放された意義は非常に大きいです。 」   

Re:lvis導入による業務改善効果

また非化石証書発行前に会社名や備考欄を確認できるようになったことで、ヒューマンエラーの防止にも繋がっている。さらに需要家ポータル機能で各拠点からの購入希望量を一元管理し、割当結果を共有できるようになったことも大きな成果だ。
「業務がシステム化されたことで工程を分解しやすくなり、業務分担も可能になりました。操作マニュアルも整備されているため、新任担当者でも短期間で業務を遂行できる体制が整っています。定量的な効果としては、あくまでシミュレーション値ですが、以前のやり方で調達業務を処理していた時の工数がRe:lvisのフル活用により約30分の1となりました。劇的な業務改善が実現し、その効果を実感しています」

今後の展望

グループ全体での活用を促進し、自社環境情報システムとのAPI連携も視野に

現在、バリュー・インテグレーション統括本部では、拠点側でのRe:lvisの操作習熟度を考慮し、非化石証書調達業務を同本部で一括して実施している。当面はこの運用を継続しながら、各拠点でのRe:lvis活用を定着させていきたい考えだ。
 
藤井氏は「理想としては、各拠点が自分たちのタイミングでRe:lvis上から非化石証書を発行できる形ですが、今はそれをどうやって運用に載せるかを模索している段階です」と語る。
 
例えば注文受付期間を過ぎた変更や取り消しについては引き続き同本部で代理対応しており、運用改善の余地も認識している。こうした課題を踏まえ、将来的には自社の環境情報システムとのAPI連携も視野に入れている。環境に関するデータ を社内システムとRe:lvisの双方に入力する二重作業を解消し、全社的な環境情報管理の効率化と高度化を図っていく予定だ。 

「非化石証書の活用を含むカーボンニュートラル業務は、今後さらに拡大していきます。その過程でRe:lvisを活用したさらなる業務の標準化と効率化が求められています。BIPROGYは、資源エネルギー庁委託の非FIT電源認定事務局として対応を行っているという高い専門性や知見に基づいた信頼感がありました。さらに、今回のRe:lvis導入に際しては、実運用を見据えた相談にも乗ってもらい、その誠実な姿勢から、導入後もサ ポートいただけることを確信しています 。 これからも、我々の視点に立った実践的なサポートを強く期待しています」

  • ※本事例に記載された情報は取材時点のものであり、社名、内容など閲覧される時点では変更されている可能性がありますことをご了承ください。本事例は情報提供のみを目的としており、BIPROGYは、明示的または暗示的を問わず、本事例にいかなる保証も与えるものではありません。
  • *Re:lvis、Re:lvisロゴは、BIPROGY株式会社の登録商標です。
  • *記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。